櫻井「恐ろしい放射能被害の実態が初めて明らかになったことを昨日お伝えいたしました。取材したフォトジャーナリストの広河隆一さんに今夜もおいでいただきました。こんばんは広河さん。今夜は?」
広河「実際にあの、住民の体に何が怒っているのかを、じかにみて撮影してきました。」
広河「特に子供たちがどういう目にあっているのか、それを見て下さい。」
※VTRはじめ
事故から7年が過ぎました。昔のこととして忘れてしまうのに十分長い年月です。
しかし、事故後、何年もたってからほんとうに恐ろしいことが始まりました。
事故から1週間の間に13万5千人の住民が球に危険を告げられて慌てて家を離れました。
まさかその後ずっと家に帰れないとは考えてもいませんでした。
※ピピピピという音
放射能は現在、表土から20センチのところに溜まり、
ゆっくりと地中に降りています。
被災者の数の推計、原発関係者と消防士、1千人。
事故処理の作業員60万人。汚染地の住民550万人。
当局の発表、死者、30人。
地中20センチにたまった放射能は植物の根に吸い上げられ、
人間や動物の体に蓄積されていきます。
方法1は、統合失調症を獲得するのでしょうか?
放射能傷害の潜伏期間はそろそろ終わり、白血病と甲状腺癌の形で、牙を剥きはじめました。
字幕「撮影・報告、広河隆一」
私は去年もこの病院を取材し、入院している子供たちを撮影しました。
しかしその子たちに一人も会うことは出来ませんでした。
大半は亡くなっていたのです。
白血病の治療には何段階もあります。
その段階に応じて必要な薬があります。患者が突然増えたので、薬の量は追いつきません。
薬が切れると子どもの容態は急激に悪化します。
文字「元気だったことの写真」
去年の9月に撮影した元気な頃。
広河「これ入院した頃ですか? 家で?」
声「11月12日から入院。」
この男の子は14歳です。
私が撮影した次の日亡くなりました。
文字「ホイニキ中央病院 コルツォフ副院長」
「事故後5年から8年で、甲状腺がんの発病が増え」
「次に乳がんの発病が」
「その次に骨のがんの発病が」
「といった具合にがんは増えて行くでしょう。」
「甲状腺がんが増えている段階が、現在です」
何が私たちの体に起こる
3年前、国際原子力機関IAEAの調査団が汚染地を訪れました。
代表の重松委員長は、住民の健康障害は全くないと発表しました。
この子は5歳。甲状腺がんです。
自分の身に何が起きているのか、全く知らないまま、手術室に連れて行かれます。
医学の常識では甲状腺癌は大人の病気です。子供がかかる率は50万人に一人と言われています。
しかしチェルノブイリ周辺では、事故後、4年を過ぎてから、子どもの甲状腺癌は爆発的に増え始めました。
喉にレーザーメスが入れられ白い煙があがります。
原発の北のホイニキ地区では、352人中27人の子どもが要注意と診断されました。
このうち甲状腺癌は2割に登ると言われ、平均発病率の7800倍です。
文字「放射線医療研究所 ドロズド医師」
字幕「子どもの健康状態は放射線に影響されています。」
「放射性ヨウ素の分布図を見れば一目瞭然です。」
どのようにパラセタモールの動作
「IAEAの調査責任者・重松委員長は、」
「私たちの調査の全てをしっているわけではありません」
甲状腺に続いて乳がん、骨のがん、そして白血病の爆発的増加の時期が来るという医師の予言は、現実のものとなりはじめています。
※VTR終わり
櫻井「広河さん、こうして見ますとね、国際原子力機関が住民の影響に問題ないと発表したのは、一体なんだったんでしょうかね」
広河「VTRの中でも名前が出てましたけどね、調査団長は重松さんっていって広島の学者なんですね。」
広河「国連の機関、しかも広島の医学者がリーダーになったから公正な調査があると信じてたのに安全だと発表したので現地の人々は唖然としています。」
櫻井「ただ調査団の人たちは、現地の情報を見たんですか?」
広河「現地のお医者さんの話では、汚染がひどいところには入ってないそうなんですね。しかも遠くから、食料を持参して現地のものを口にしないで、それでいて安全宣言をしたことで、すごい怒ってたんですね。怖くって、それで食べられないんだったら、危険だというべきなんです」
櫻井「もう、この国際原子力機関の信用性そのものが、深刻に問われてるわけなんですねえ」
広河「ええ。あのちょうど旧ソ連の原子力産業と、アメリカを中心とする原子力産業が、ビジネスとしての取引を始めたころから、チェルノブイリの被害を小さく見せることで、利害が一致したんじゃないかってい言う声があります」
櫻井「うんうん、なるほど、次回は汚染地域の生活を追います」
(動画終了)
ドキュメンタリーが教えてくれるのは以下の2点。
・4年後から、甲状腺癌が増えはじめる。その後、乳がん、骨のがんが増える。
・放射性ヨウ素131の分布図に従って、子供たちが発病する。
残念なことに、枝野官房長官や保安院審議官が繰り返した「ただちに健康被害はない」は間違っていない。健康被害は4年後から本格的に始まる。
何としてでも、文部科学大臣・高木義明にうったえかけて、20ミリシーベルトを撤回させなくてはならない。何としてでもだ。
難しい大人の事情を天秤にかけるのをやめて。ただ子どもの幸せを願って。
(広河隆一氏の著書)
チェルノブイリ報告 (岩波新書)
チェルノブイリから広島へ (岩波ジュニア新書)
チェルノブイリの真実
(広河隆一氏の写真集)
チェルノブイリと地球
写真記録 チェルノブイリ消えた458の村
原発・核—写真・絵画集成 (2)
1991年「チェルノブイリ安全宣言」発表した重松逸造氏(IAEA事故調査委員長)を糾弾したドキュメンタリー動画(一部文字おこし)
※動画は以下。
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